入塾面談の際に保護者の方々から聞かれる質問に対して、日頃どのようなお話をお伝えしているかを書こうと思う。
1クラスの生徒数はどれくらいですか。
いま一番多い中3生のクラスが18名である。
大体、十数名のクラスで、小学生のクラスは10名に満たない。
塾の規模としては小規模に属するだろう。
保護者の方々が心配される通り、講師一人あたりの生徒数は、面倒見の良さと密接に関係している。
こういった場面において、一人一人にかけることができる時間が多いほど、
塾生たちを手厚くフォローすることができるのは紛れもない事実だ。
前職でも経験しているが、生徒数があまりにも多すぎると上記のようなフォローがどうしても渋滞、遅延しがちである。
どうしても妥協せざるを得ない場面が出てくる。
また、生徒に関してだけでなく、保護者の方々へのフォロー、コミュニケーションに関しても同様である。
塾生の保護者の方々と面談をさせていただくときも、

最近、生徒さんがだいぶ増えたみたいですね。
と仰っていただくことがあるが、なんとなく申し訳ない気持ちになる。
「もしかしたら、生徒が増えることで一人ひとりへのフォローが弱くなってしまう」
「疎かになってしまうとご心配をおかけしてしまっているかもしれないな。」と思うからだ。
ただ、unitでは生徒一人一人のことをじっくりと見ることを大切にしているし、
この点に関しては今後も全くぶれることのない指針である。
この点、保護者の方々にはご安心いただきたい。
ちなみに、私が懇意にさせていただいている塾の先生方には個人塾でありながら多くの生徒さんを指導され、
尚かつきめ細やかで熱量の高い指導をされていらっしゃる先生方もいる。
私もいずれはそういう高い次元での指導ができるようになりたいと思っているが・・・、まだまだ修行が足りない。
自習室は使えますか。
塾では自習室の利用を推奨している。
中3生は授業の時間帯よりもだいぶ早くから塾に来て(だいたい16:30過ぎ)黙々と勉強しているし、
授業後も22:30くらいまで勉強している。
週6で塾に来る子が大半だ。
また中2の子たちも週に4,5回ほど塾に来るのが通常運転となっている。
最近は小学生の子たちも授業以外の曜日に自習に来る。塾の宿題や学校の宿題にせっせと取り組んでいる。
塾生たちが自習に来たとき、私たちは授業をしながら、一方で塾生たちの勉強の様子を見る。
いろいろなことを見て、気づいたことや助言などがあればその都度声をかける。
まだ質問する習慣がついていない子、間違えた問題の修正がまだ定着していない子、苦手教科を勉強している子には



分からないところがあったら遠慮なく持って来なよ。今のところ、何か聞いておきたいことはあるかい?
と声をかける。
すると、おもむろにワークやプリントを出してきて、「ここがよく分からないです。」と質問してくれることもある。
「家で勉強しているときよりも、より質の高い勉強ができるように」ということを意識している。
ところで、たまに入塾面談のときに他塾のお話をしてくださることがある。
「以前に通っていた塾でも自習をしに行っていたのですが、
他の子のおしゃべりの声がうるさくて集中できない、と帰ってくることがありまして・・・」みたいなお話を聞く。
どの程度のおしゃべりなのか、頻度はどれくらいなのか。
実際のところは直接見ているわけではないので何とも言えないが、そのようなお話が出てくること自体、非常に残念である。
塾がどういう場所か、自分のために、周りの子のためにどのように振る舞うべきか。
そういうことは指導者が生徒たちに繰り返し説いて、価値観・意識の共有を図っていかなければならないことである。
中にははじめから備わっている子もいるが、様々なやりとりを通じて指導者が積極的に意思の疎通をはかるべきである。
一事が万事。
そういう指導がしっかりと成されているからこそ、
勉強の仕方やその他諸々についてもちゃんとした指導ができると私は思う。
自習ができる塾はたくさんあるかもしれないが、
集中して自習できる塾となると、もしかしたら意外と少ないのかもしれない。
真面目にやろうとしている子にとって居心地の良い空間づくりを心がけたいものである。
うちの子、お友達と一緒に通っても大丈夫でしょうか・・・?
仲の良いお友達と一緒に通うことに対して、少し不安を覚える保護者の方もいらっしゃるようだ。



仲が良いのは良いことだけれど、授業や勉強に集中できないのでは…。



授業中や自習中にしゃべってしまったりしないだろうか…。
という不安があるのだと思う。
進学塾unitでは、勉強する時間とそうでない時間のメリハリを大切にしている。
授業中、自習中はみんな集中して黙々と勉強に取り組む。
休み時間は友だち同士でしゃべったり、先生たちとしゃべったり、マンガを読んだり、にぎやかに過ごしている。
休み時間が終わるチャイムが鳴ると、ピタッと静寂が訪れて、再びそれぞれが勉強モードに入る。
仮にその中でいつまでもペチャクチャおしゃべりをしている子たちがいたら、ものすごく目立つと思う。
お互いに仲良く話せる間柄でありながら、お互いが刺激し合い切磋琢磨する。
しんどいときには、お互いに励まし合う。
実際にそういう関係が塾生同士の間でたくさん見られる。
仲の良い子と一緒に勉強することのマイナス面(依存、足の引っ張り合い)が非常に出にくく、プラス面が出やすい環境だと思う。
私自身、友人や仲間と過ごすときに、一緒にいる時間が充実したものになる関係、お互い成長できる関係を大切にしてきたように思う。
塾生たちにもそのような関係を築いていってもらいたい。
もともといる子たちにうまく馴染めるか心配で・・・
新しい環境に入っていくとき、そこにいる人たちとうまくやっていけるか、というのは大なり小なり気になるところだと思う。
手前味噌な話になるが、進学塾unitの塾生は新しく入ってくる子たちに対して、かなりウェルカムな雰囲気で接してくれていると思う。
自分たちから明るく挨拶をして、積極的にコミュニケーションを取ってくれる。
塾生たちも自然体だし、入ってきた子も自然体で過ごしやすいと思う。
厄介なのが、もともとその集団の中にある特定の「グループ」ができている場合だ。
ここで言う「グループ」とは内輪のノリが強い集団、排他的な雰囲気の集団である。
「○○中の子たちのグループ」とか「特定の女の子たちのグループ」とかそういうものが出来やすい。
しかし、unitは異なる中学校に通っている子たちのあいだの垣根や、男子と女子のあいだの垣根があまり無い。
みんなそれぞれ、緩やかにやりとりがある。
だからこそ、塾生みんなが過ごしやすい空気ができている。
何より、私はこのような排他的な雰囲気を極度に嫌う。
そのような雰囲気をつくるというのは、人間的に未成熟であることの証だと思うからだ。(実際に起きたことはないが、仮に勉強の得意な子たちや通塾歴の長い子たちが、入ってきたばかりの子に対して大きな顔をしようものなら、私は厳しくたしなめるだろう。)
おそらくだが、みんなはじめて塾に来たときに、温かく迎えてくれたことをなんとなく覚えているのだろう。
そして、それが心地よいものだったのだと思う。
だからこそ、自分よりあとから入ってきた子たちに対しても同じように接してくれているのだと思う。

