生徒に求められる姿勢 その①授業の聴き方

目次

キーワード「たとえば」「つまり」

以前の英語の授業。

福永

形容詞ってどんなはたらきがある?

生徒

えーっと・・(的外れなことを言う)

福永

オッケー、良いよ。じゃあさ、形容詞ってたとえばどんなものがある?日本語で良いから形容詞の例を言ってごらん。

生徒

???

福永

たとえば『大きい』とか『面白い』とか

生徒

……!『小さい』『重い』『軽い』

福永

そうそう。それが形容詞ね。じゃあ、形容詞の後ろに言葉をつなげてみて。大きい・・・?

生徒

りんご!

福永

良いね。面白い・・・?

生徒

先生!

福永

ありがとう(笑)そうそう。ってことは、形容詞の後ろには何が来る?

生徒

りんごとか、先生とか……

福永

うん。そういうのをまとめて何て言うの?

生徒

えーっと、・・・名詞!

福永

そうだよね。つまり、形容詞はどんなはたらきをするの?

生徒

・・・名詞を説明する?

福永

素晴らしい!くわしく説明することを修飾する、というよ。形容詞は名詞を修飾するんだ。



こんなやりとりがありました。

さて、生徒たちは話を聴くときに「具体化」することが苦手です。

私が「形容詞」という言葉を使ったときに、「ああ、『大きい』とか『赤い』とかね。」と思い浮かべながら聴いていないのです。

私が「野菜」という言葉を使ったときに、生徒はニンジンやレタスなどをなんとなく思い浮かべているはずですね。

それと同じように、「具体例を思い浮かべながら聴く」ということができると理解が進むのです。

具体化するためのキーワードは「たとえば」です。

また、いくつかの具体例が出てきたときに「話をまとめながら聴く」ということも意識しましょう。

抽象化するためのキーワードは「つまり」です。

勉強が得意な子ほど、「具体化・抽象化」をしながら話を聴いています。

「たとえば」「つまり」を使いこなしながら、授業を聴きましょう。

先生の説明の型(法則)

私は授業において、生徒が理解しやすい授業展開を心がけています。

すると、だいたい同じような話の流れになることが多くなります。

以下に挙げる【具体→抽象→具体のサンドイッチ】は、私がよく使う授業展開です。

意識しながら話を聴いてもらえると授業がより分かりやすくなると思います。

例1

福永

水素の化学式は?

生徒

H2です。

福永

そう、良いね!じゃあ酸素は?

生徒

O2です。

福永

オッケー。これらの物質は1種類の原子から出来ているよね?こういう物質を『単体』って言います。他にも例えば、鉄Feとか炭素Cとかも単体だよね。


例2

福永

一つの卵は an egg と言います。

生徒

???

福永

一つのリンゴは an apple 。一つのオレンジは an orange。一つの消しゴムはan eraser。はい、どういうときにanになりますか?

生徒

・・・!!最初がアイウエオのとき

福永

素晴らしい!よく気づいたね! そう。a,i,u,e,oで始まる単語のときは、aではなくanをつけます。他にもたとえば・・・

このように、

① まず身近な具体例から入ることで理解のハードルを下げる

② 次に抽象化して、話の要点を整理する

③ もう一度ほかの具体例を見せることでより深い納得を引き出す

だいたい、このような授業展開で進めることが多いです。
(もちろん生徒の学力や得意・不得意、扱う問題の難易度にもよります。)

「同じ先生に教わることのメリット」として、「教え方に法則性がある」という点が挙げられます。

その先生の教え方に慣れると理解もしやすくなり、より効率よく知識を吸収することができます。

授業を受ける際には意識してみてください。

自分の言葉で説明する

生徒諸君、その日の授業で教わったことをちゃんと覚えていますか?

どんな内容の授業だったか、時間が経つと忘れてしまうことは結構あるのではないでしょうか。

私も昔に録画しておいたドラマを見て、お話の終盤で「あ、これ前に観たやつだわ」となることがあります。(←お茶目)

せっかく一生懸命に授業を受けているのに、忘れてしまってはもったいないですよね。

さて、いきなり結論を言いますよ。

いいですか。

普段から授業を聴くときには「この授業のあとに今度は自分が授業をする」という意識で聴いてください。

話の内容を理解していて、かつ頭の中が整理整頓されているかどうかは、なかなか自分自身では認識することが難しいと思います。

それを確認したければ、他人に説明してみれば良いのです。

他人に説明するためには、一つ一つの話を正確に

理解していなければなりません。出てくる用語の意味や全体像を把握しておく必要があります。

一つ一つの話を「あとで自分が説明するんだ」と思いながら授業を聴けば、「どこが大切か」ということを無意識に考えながら聴くことになるので、知識の吸収力も、話を聴く集中力も上がります。

それまで以上にメモも取れるようになります。

私も授業の際に「あとで説明してもらうよ」と前置きしてから説明をすることがあります。

そのときの生徒の集中力は、普段より高まっていると感じます。

「アウトプットを意識することによりインプットの質が高まる」ということですね。

塾の授業が終わって家に帰ったら、家族に授業内容を実際に説明してみてください。

保護者やきょうだいの方はもちろん、飼っている犬やぬいぐるみが相手でも構いません(笑)

「自分の言葉で説明する」という行動を日々の勉強の中にどんどん取り入れていきましょう。

1回で正確に聴き取る

たとえば先生の発問や指示。宿題のページ。

そういったものを聞き逃し「えっ?もう一回言ってください」というのはいけません。

実のところ、塾の授業において私が喋るときは、様々なことに配慮しながら話すよう心がけています。

話す順番、言葉選び、話し始めるタイミング、言葉と言葉の間。

できる限り塾生であるあなた方が聴き取りやすいように、あなたがたの表情やリアクションを見ながら話しています。

(もちろん完璧というわけではありませんよ。)

そういう話し方をされて、その上でもなお一回で聴き取れない場面が複数回あるのだとすると、これは「集中力・注意力」を高める必要がありますよね。

先生の話を聴くのは「会話」であり、「テレビや動画を観ている」わけではありません。

「目を見て聴く」「一期一会と思って聴く」という意識を持ち、話を聴きましょうね!

メモを取りながら聴く

授業を聴くときにメモを取っていますか?

メモを取ると良いことばかりです。

具体的にどういう効果があるか見てみましょう。

あとから見直すときに思い出しやすくなる

ノートやプリントをあとから見直したときに、授業中のちょっとしたエピソードをメモしていると授業の話を思い出しやすくなります。

雑談や先生のアドバイスを書き込むのも良いですね!

まっさらな状態のノートよりも、自分のメモ(書き込み)で汚れているノートにしましょう。

その場で覚えやすくなる

ただ聴くだけよりも「書く」という行動を通したほうが覚えやすくなります。

またメモを取るときに言語化する必要があるため頭を使いながら聴くことになります。

前述の「抽象化」する力にも繋がります。

【授業に積極的に参加できる】

先生一人に対して生徒が多数という場合、なんとなく話を聞くという「受け身」の姿勢が生まれやすくなります。

メモを取ることで、自ら進んで情報を取りにいく積極的に受講する授業は当然、集中力も上がります。



どうですか?勉強において良い面が多いですね。

ぜひ今日からメモを取りながら授業を聴いてください。

ちなみに、この「メモを取る」という習慣は大人になってからも非常に大切です。

メモを取るという行為そのものが「積極性」「やる気」「信頼」の証となる場面もあります。

そういう意味でも、塾生諸君にはメモを取ってもらいたいと思います。



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