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そんな虫の良い勉強法などない

虫の良い勉強

埼玉県の高校入試の倍率が発表された。

大宮高校や浦和一女などのトップ校や、進学塾unitの近隣だと市立川越がやはり高倍率。

川越高校や川越女子高校はややあがったものの、例年並みといったところか。

しかし、倍率がどうであろうと、ここまできたらあとはやれることを淡々とやるだけである。



さて今日は問題演習への取り組み方のお話をしたい。

小学生のとあるクラスでは、授業中の問題演習の質と家で行った問題演習(宿題)の質が大きくかけ離れてしまっている。

問題演習の質とは、たとえば

ノートにページや問題番号をきちんと書いているか、

考えた形跡(図や絵や表など)が書いてあるか、

途中式が書いてあるか、

筆算が書いてあるか、

丸つけが正確になされているか、

文字が丁寧に書かれているか、

というようなことである。

塾の授業中ではそれなりにできている子も、家でやってきたものを見ると質が大きく落ちていることがある。

家でやってきたものには次のような状況が見受けられる。

① 字が明らかに雑になっている
② 間違っているにもかかわらずマルになっている
③ 式だけが書かれていて筆算を書いていない
④ 途中から思考が抜け落ちて単なる作業になっている

① 字が明らかに雑になっている

これに関しては、最初から雑になってしまっていることもあるし、途中から字が乱れていることもある。

後者の場合、集中力が切れてしまい、途中から「終わらせる」が目的になってしまっているのだろう。

「最初から最後まで丁寧にやりきろう」という辛抱が足りていない。

② 間違っているにもかかわらずマルになっている

これに関しては、マルつけが単なる「儀式」になっている。

解答を丁寧に見ることなく、赤ペンを滑らかに円運動しているだけである。

また、そもそもマルつけの意味が分かっていない可能性もある。

間違っているものや分からない問題に気づかないことも大いに心配だが、この行動の背景にある本人の「勉強観」のほうがおおいに心配だ。

③ 式だけが書かれていて筆算を書いていない

これは、筆算していないにもかかわらず、なぜか答えが出ているパターンだ。

私でも暗算できないレベルの難解な計算でも、なぜか筆算無しで答えが出ている。

(そして絶対に正解している笑)

筆算の跡が無いね。これは暗算で求めたのですか?

生徒

いえ、・・・別の紙に筆算をしました。

ほほう。別の紙・・・。なぜ別の紙にやったのですか。

生徒

ノートが汚くなるので・・・。

あのね。そもそも筆算というのは・・・

みたいなやりとりや、

筆算の跡が無いね。これは暗算で求めたのですか?

生徒

筆算をしたあとに消しました。

ほほう。消した。なぜ消したのですか。

生徒

いや、なんとなく癖で・・・。

あのね。そもそも筆算・・・(以下略)

のようのやりとりをすることになる。

④ 途中から思考が抜け落ちて単なる作業になっている

④は、パッと見だとそこそこできていそうに見えるが、途中から前問と同じ式を立てて機械的に取り組んでしまっていることが、ちゃんと見ればよく分かる。

たとえば、前問がわり算だから残りの問題もすべてわり算、のような発想で解いている。

①~④は、本人たちにとって負荷がかかる、あるいは面倒くさいと思われることなのだろう。

字を丁寧に書くことが面倒くさいと感じる子は家では雑になるし、マルつけ(丁寧に解答・解説と自分の答えを見比べて、間違っている場合は何が違うのかを追求する一連の作業)が面倒くさいと感じる子は家ではこの作業が雑になる。

塾では私が目を光らせているのでこういったことが起きづらいが、家だと無意識のうちに自分にとってラクなやり方(=面倒を省いたラクなやり方)に流れてしまうのだろう。

このように、「ラクするためには質を大きく落としても構わない」という癖(体質)を直さないかぎり、成績が大きく上がることは無いと思っている。

①~④のどれを面倒くさいと感じるかは、その子次第だ。

その違いを見極めて、その子がおざなりに、またはなおざりにしてしまうことをしっかりとやらせることも塾の授業で指導することの一つである。

「勉強のやり方が分からない」という言葉をよく聞くが、「(ラクで効率の良い、しかも結果の出せる)勉強のやり方が分からない」という意味になっていないか、生徒たちには自問自答してほしい。

そんな虫の良い方法は無いのだ。

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