夏期講習の振り返り③

夏期前に体験授業に来た小学生の子たち。授業中はまっすぐな視線で私のほうを見て話を聴いてくれる。問題演習をするときも、直前に言われたことを活かして思考することができている。塾に来たときの挨拶もとても気持ちの良いもので、いつも礼儀正しい。

そんな彼らだが、入塾後にはじめて宿題を出したとき、宿題の丸つけの仕方について言及することがあった。少し話が脱線するが、私が宿題を出す際はテキストの解答を生徒たちに渡し、丸つけ、解き直しまで行ってもらう。

・正しく丸つけをする(模範解答と自分の解答を正しく照らし合わせる)

・間違えた問題について、解答・解説を見ながら間違いの原因・改善策を追求する

・上記の内容を言語化する

・分からない問題は解答を見ながら自分で理解する



このような力を養う目的で解答を渡している。そして、塾生たちが授業の冒頭で小テストや演習を行っているあいだに、宿題のノートを一人ずつ確認し、彼らにコメントをする。ノートを見ればその生徒がどこまで理解しているか、どの程度丁寧に(真面目に)取り組んでいるかがすぐに分かる。その上でこまめに小テストを行うことで、生徒の理解度を随時確認している。

さて、先ほどの塾生たちは入塾当初、間違えた問題に関して「赤ペンで答えを書いて終わり」というやり方をしていた。そこで上記の内容を丁寧に伝え、「次からはこういう風にやってこようね。」とアドバイスをした。次の授業の冒頭、彼らの宿題のノートを見ると間違えた理由や正しい考え方などが彼ら自身の言葉で書かれていた。「ほ~、これはすごいね!頑張ってやってきたね。結構時間かかったでしょう。でもこういうやり方を続ければ、きっと算数が得意になるよ!」と伝えると、少し照れくさそうに笑っていた。その後も、手を抜かずにきっちりと宿題に取りくんでくれている。

こんなに劇的にパッと行動が変わることばかりではない。(というより、何回も何回も同じ話をして、少しずつ変わっていくのが普通だ。だからこそ、この子たちの素直さと行動力が素晴らしいと思う。)よく「勉強のやり方を教える」という表現があるが、実際のところ、こういう地道なやりとりを積み重ねていくことでしか、勉強のやり方を教えることはできないと思っている。こういうやりとりにたっぷりと時間をかけられるのが、小さな塾の利点だと思う。これからも大切にしていきたいことの一つだ。 

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