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生田目の国語教育随想 第5回 ~世界をディグる~

(unit通信10月号バックナンバー)

ヒップホップ界隈で用いられるスラング(俗語)として「ディグる」というものがあります。

「ディグ」は英語の「dig(掘る)」で、元来DJがレコードショップで好きなレコードを探すことを指しました。

もうなかなか見かけない光景ですね、、、

いかにも日本人らしいネーミングセンスですが、現在ではヒップホップに限らず「適職をディグる」などという表現も見られるようになっているようです。

生田目

適職をディグるはさすがに初めて聞きましたが、、、(笑)

進学塾unitでは出席をとる際に「好きな○○」についてアンケートをとることがお馴染みになっていますが、好きな食べ物程度ならさておき、これが趣味・芸術・スポーツなどの文化にかかわるものとなってくると

生徒

特にありません

という回答が途端に増えます。

私はこの原因の一つとして、あらゆる場面で「ディグる」機会が減っているからなのではないかと考えています。

その背景にあるのがレコメンド(おすすめ)機能の発達です。

レコメンダシステム: recommender system)は、情報フィルタリング (IF) 技法の一種で、特定ユーザーが興味を持つと思われる情報(映画音楽ニュース画像ウェブページなど)、すなわち「おすすめ」を提示するものである。

レコメンダシステム」(2021年3月13日 (土) 12:19 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』。
https://ja.wikipedia.org/wiki/OECD%E7%94%9F%E5%BE%92%E3%81%AE%E5%AD%A6%E7%BF%92%E5%88%B0%E9%81%94%E5%BA%A6%E8%AA%BF%E6%9F%BB

YouTubeに代表される映像配信プラットフォームや、サブスク音楽配信サービス等でも導入されている機能で、ユーザーのアクセスをトラッキング(追跡)し、AIが分析しておすすめとして表示するというものです。

レコメンド機能は確かに便利です。

しかし、レコメンドされたものだけで満足し、パーソナライズされすぎた領域から抜け出さないことは自分で見つけ出す力や意欲・知的好奇心を薄れさせる原因になっているのではないでしょうか。

便利さを追い求め科学技術が進歩する中で、人間が持つ原初的な能力の衰えを問題視することは今に始まったことではありません。

CDショップでCDを漁る中で音楽の複雑なジャンル分けを理解し頭の中が体系化されたり、書店を何となしにぶらつき、たまに手に取ってパラパラ読み漁ったりすることで世界が広がっていく感覚というのが私にはありました。

そして何より、そのようにして探し出したお気に入りのCDや本というのは、どこか自分だけの秘密の宝物のように思えました。

掘り出し物は自分で「掘って」こそ価値が見いだせるのです。

時間に追われるようになった現代社会、レコメンドされずに時間をたっぷりかけて自らお気に入りを探し出す。

そんな営みが知性の源泉となり、その人の知的魅力を磨くのではないでしょうか。

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