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第21回 ~AIはメンデルになれてもニュートンにはなれない~【話題のChatGPT】

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(unit通信 2023年2月号バックナンバー)

AIと人間の境目がシームレスに

最近(ちまた)「ChatGPT」が話題になっている。

これはOpenAIが開発した対話型のAIチャットボットで、人間が課題を与えると自動でテキストを生成してくれるという夢のようなツールだ。

すでにこのツールを利用する人口は急増しており、UX(User(ユーザー) experience(エクスペリエンス))も大幅に向上している。


ついに人が人と会話しない時代が本格的に訪れているのだ。

コンピューターを通して通じている相手が生身の人間なのかAIなのかということは、いよいよシームレスになってきている。

AIを搭載したアンドロイドだと気づかずに恋人としてしまっては事なので、塾長にはそのような世の中になる前に早くパートナーを見つけてほしいと切に願う。

結局はリテラシーとモラル

ちなみに個人的に私はアーリーアダプターなので、こういった技術革新(かくしん)にはすぐに飛びつくし、そういったツールを運用して何か新しいことをしようとするのも大好きだ。

いかにも俗物(ぞくぶつ)である。

以前こちらの記事でも書いたが、以前勤めていた塾でオンライン授業サービスを始めるときは、ウキウキでマイクやカメラを自費で購入したり、支給のPC以外に私物のiPadなども使って複数台配信したりと、大変だったが楽しかった。


ただそんな私でも、そのようなツールの利便性に安易(あんい)依存(いぞん)しないようにしている。

やはり使う側のリテラシーやモラルが求められるというのが、月並みではあるが結論とすることができるだろう。


そういった道具がこの世に産み落とされている以上、条件反射的にけしからんと声を荒げるのではなく、メリットとデメリットの双方を理解したうえで、その活用の仕方を考える方向にシフトすれば良いだけだ。

世の中はそういうフェーズにとっくに入っている。

そしてそれを考える際に、利便性と人間の持つ能力・人間性とのトレードオフは常に念頭(ねんとう)に置いておく必要があるということだ。


AIに代替されない人材として

AIの急速な発達が観測される現代において、AIに代替されない人材としてどうあるべきか。

我々はどのような能力に磨きをかけていけばよいのか。

その答えの一つに「アブダクション」がある。

この言葉の原義(げんぎ)は「誘拐(ゆうかい)拉致(らち)」であり、UFOによる人間の誘拐または人体実験という意味でも使われるために(いささ)物騒(ぶっそう)ではあるが、哲学では仮説的(かせつてき)推論(すいろん)のことを指す。

アメリカの哲学者パースによって提唱(ていしょう)され「ある不可解な事実を分析して、その不可解な事実を説明するために最も良いと思われる仮定を導き出す推論法」としてビジネスシーンなどで取り上げられることが増えており、演繹(えんえき)帰納(きのう)に続く第3の思考法として注目されている。


AIは帰納思考が得意だ。

ChatGPTも、ネット上から収集された膨大(ぼうだい)なテキストデータを学習に用いて自然言語処理を行っている。

一方で、アブダクション思考は苦手とされる。

メンデルのようにエンドウ豆の交配を何代にもわたって繰り返し、そこから遺伝のパターンを見出すような思考はできても、ニュートンのようにリンゴが落下する様子を見たからといって、そこから万有引力の法則のような奇想天外な仮説はAIには立てられない。


いったいなぜか。

それはAIが現象に対して疑問を抱くことができないからだ。

要するに、AIは「おもしろがれない」のだ。

さまざまな気づきは、確かにアブダクションの出発点となりうる。しかし「現象に気づいた」だけで何の疑問も持てなければ、そこから先の推論は止まってしまう。逆を言えば、物事の変化や差を「発見」したら、それらを適切な「疑問」に捉え直していくことで、推論の入り口にすることができる。

羽田康祐. 問題解決力を高める「推論」の技術 (フォレスト出版) (p.201). Kindle 版.

さまざまな気づきは、確かにアブダクションの出発点となりうる。しかし「現象に気づいた」だけで何の疑問も持てなければ、そこから先の推論は止まってしまう。逆を言えば、物事の変化や差を「発見」したら、それらを適切な「疑問」に捉え直していくことで、推論の入り口にすることができる。

羽田康祐. 問題解決力を高める「推論」の技術 (フォレスト出版) (p.201). Kindle 版.

AIは膨大なインプットにより帰納思考を行っているが、そのインプット自体に疑問を抱くことはしない。

「不思議な現象だなあ」とか「興味深いなあ」などとは、AIは考えない。

したがってそこからアブダクションを行えない。


我々講師にできること

こう考えると、我々講師の指導の方向性も見えてくる。

それは、おもしろがる練習を積ませることだ。


知的好奇心を刺激するような授業を展開し、またそれを我々自身が率先しておもしろがってみせる。

勉強をただインプットを繰り返す難行苦行のようにしかとらえられない貧しい感性では、アブダクションは生まれない。


物理学者の寺田寅彦は「アインシュタインの教育観」で『先生が退屈の呼吸を吹きかけた日には生徒は窒息してしまう。教える能力というのは面白く教える事である。どんな抽象的な教材でも、それが生徒の心の琴線に共鳴を起させるようにし、好奇心をいつも活かしておかねばならない。』と、アインシュタインの言葉を引用している。

教える能力が面白く教えることであり、そのことがAIに代替されない人材としてアブダクション能力を育むのであれば、アインシュタインもそれを引用した寺田寅彦も驚くべき先見の明の持ち主だ。


少しでも面白い授業を提供する。

塾講師の原点として常に心に留めておきたい。

本記事はChatGPTにより自動的に生成されました。


この記事を書いた人

生田目
なまため
(イラストは塾生作)

進学塾unitの副塾長。国語・英語・社会担当。2019年には開倫塾主催の全国模擬授業大会の国語部門で優勝。塾において軽視されがちな国語教育の必要性を少しでも感じてもらえるよう、色々書いております。

趣味:ダーツ(カウントアップ860)、釣り(海・川)、野球(西武ライオンズ)

進学塾unitの副塾長。国語・英語・社会担当。2019年には開倫塾主催の全国模擬授業大会の国語部門で優勝。塾において軽視されがちな国語教育の必要性を少しでも感じてもらえるよう、色々書いております。

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Twitterはこちら @unit_nama

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