(unit通信6月号 バックナンバー)
学習指導要領の再編により、高校国語が論理国語と文学国語という選択科目に分かれることとなりました。
私はこのことを好意的にとらえています。
子供達には何度か話をしていますが、従来の学校国語と受験国語は根本的に別教科です。
学校空間が“道徳教育の場”という性格を持っている以上、国語も道徳とは切れない関係にあります。
ですから、例えば小説において、学校では“その人物が抱いている心情”そのものが重視されがちです。
しかし、初見の文章を読み解く受験国語においてそのような「決められた答え」は役に立ちません。
受験国語では“その人物がどのような心情であったかを類推する力”が試されます。
その結果、学校では「文章を教える」、塾では「文章で(技術を)教える」といった違いが生まれます。
塾の国語を初めて受けた子が、初めに学校との国語に戸惑いを覚えるのはそのためです。
従来の国語では、論理的精読と文学的玩読が“国語”という科目名で一括りに指導されていましたが、今後の高校国語では、これらが明確に分けられることとなります。
論理的思考力も身に着けつつ、文学作品を味わう舌も肥えている、そんな人になってくださいね。